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スタートから10年を迎えた地域産業支援活動「ふくいろキラリプロジェクト」SDGsを体現した活動で、
福島県の、そして日本の、地方創生を牽引していきます。
このプロジェクトは、東日本大震災後、福島県内企業の工業製品出荷額は激減したことを受け、地域の雇用を支え、長期的な福島復興を牽引する「ものづくり」の早期復興を成し遂げるため、東北大学の堀切川教授を中心に産学官連携チームを結成し、平成25年からスタートした地域産業支援活動です。この取り組みは、一般財団法人日本立地センター林聖子氏(現:亜細亜大学教授)により、「福島堀切川モデル」として学会発表されています。産・学・官に加え、各地域の産業支援機関と一般社団法人福島県発明協会、受託事業者である㈱山川印刷所が企業訪問の段階から参加し、商品化(事業化)・知的財産保護・販路開拓をバックアップするという「企業ニーズ」に対応する活動です。ものづくり中小企業が大手や競合他社と対等に渡り歩くために、知的財産活用に関し一般社団法人福島県発明協会の伴走型支援、さらには㈱山川印刷所において経済産業省事業等の活用により、展示会や販売会での販路拡大、SNSや動画、デジタルブック等の時代に合わせた情報発信などを実施しています。 このような全国的に類を見ない支援スキームは福島県だけでなく、各地方でも効果が期待出来るのではないかと考え、令和元年には東北経済産業局補助事業を活用し、ふくいろキラリプロジェクトの水平展開による広域連携型知的財産支援力強化事業を実施。京都府、宮崎県において、ふくいろキラリプロジェクトの支援スキームを展開しました。 平成30年度から令和2年度は、福島イノベーション・コースト構想推進機構の販路開拓等支援事業を受託し、ふくしまバイヤーツアーを実施。現在第一線で活躍中のバイヤー達を福島へ招集し、ふくいろキラリプロジェクトから生まれた製品を主にマッチングが実現しました。その後、全国誌「モノ・マガジン」に製品やプロジェクトが掲載されるなど、年々活動の成果が広がっています。
令和4年度成果
①事業の実績
令和4年度は、コロナ禍ではあったものの、感染対策を徹底し企業訪問を実施し、36社を訪問し、42件の技術相談に対応しました。さらにその中から新製品開発の提案を行い、5件の新製品開発(事業化)を達成することが出来ました。平成25年度から数えると、訪問企業数213社、訪問回数384件、技術相談対応数439件、新製品開発及び事業化数は74件となります。(令和5年3月末現在)
②訪問先企業間の業務提携と県をまたいだ広域連携
地方創生や地域産業の活性化には、中小企業間の「地域連携」のみならず「広域連携」を積極的に進める必要があります。ひとつの製品を開発するためには、様々な技術が必要になる場合があり、それらを一社だけで解決するのは難しいのが通常です。それぞれの得意としている技術は企業により異なり、連携することにより、一社だけでは不可能だった案件が実現可能となります。訪問企業数が年々増えていくことは、訪問チームから紹介できる技術が増えるということになります。令和4年度では地域連携のみならず、県をまたぐ広域連携も実現しました。ふくいろキラリプロジェクトの継続が新たな支援の形を構築しています。
③働き方改革と企業の意識転換
商品化・事業化まで至った企業から、モチベーションが上がったという声を多数いただいています。B to B 取引メインの企業がB to C 商品を作り、初めて市場の反応を得たり、成功事例を体験することが出来た場合、それは企業の成長につながると考えます。これは自社製品を持つことによる開発型・提案型企業への意識転換が進み、「充実感」「達成感」「満足感」が得られることで、「正のスパイラル」を生み出すためです。開発意欲が湧くことで、作業効率の改善、新事業への取組、魅力ある職場環境の創出など、現代の働き方改革へ繋がっていきます。
④18番目のSDGs
世界では、SDGsという17の開発目標を掲げ、未来へ持続可能な社会・環境を繋ぐ取組みに力を入れています。福島県では、ふくしまオリジナルの18番目の目標として「複合災害からの福島復興」を掲げ、未来の世代にかけがえのないふるさと福島を引き継いでいこうとしています。このふくいろキラリプロジェクトは、持続可能な社会を実現し、福島の復興を成し遂げるというその18番目の目標に直結する活動だと考えます。小さな成功事例をひとつひとつ実現していくふくいろキラリプロジェクトは、福島県の「地方創生」を促進し、地域産業を押し上げていく活動です。福島復興を牽引するものづくり産業の持続的成長支援の
一環として実施しています。
ふくいろキラリプロジェクトのこれから
ふくいろキラリプロジェクトはただ製品を開発すれば良い、ということではありません。それらをどのように販売していくのか、どのように守っていくのか、どのようにPRしていくのか、など支援先企業にとって「プラス」になる、地域にとって「発展」につながる、地方創生を実行することが出来るプロジェクトです。この活動はひとつひとつ企業の前向きな取組がベースとなっています。令和4年度では、開発製品及び事業化の数が65件まで増え、さらに、技術相談対応件数は400件を超えました。前向きに取組む企業の出現は地域全体へ良い刺激となり、地域企業のモチベーション向上、さらには地域産業の活性化へとつながると考えています。これからも地方創生のベストプラクティスとして全国へ、SDGs先進県としてのメッセージを世界へ、強く発信していきます。これからも、ふくいろキラリプロジェクトに是非ご期待ください。