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技術相談対応数 550件超。
製品化・事業化数まもなく 100件。
2ndステージへ進んだふくいろキラリプロジェクトは、
唯一無二の実現力。
このプロジェクトは、東日本大震災後、地域の雇用を支え、長期的な福島復興を牽引する「ものづくり」の早期復興を成し遂げるため、東北大学の堀切川教授を中心に産学官連携チームを結成し、平成25年からスタートした地域産業支援活動です。この取り組みは、一般財団法人日本立地センター林聖子氏(現:亜細亜大学教授)により、「福島堀切川モデル」として学会発表されています。産・学・官に加え、各地域の産業支援機関と一般社団法人福島県発明協会、受託事業者である㈱山川印刷所が企業訪問の段階から参加し、商品化(事業化)・知的財産保護・販路開拓をバックアップするという「企業ニーズ」に対応する活動です。開発した製品やものづくり中小企業が大手や競合他社と対等に渡り合うために、一般社団法人福島県発明協会の伴走型支援による知的財産活用、㈱山川印刷所の経済産業省事業等の活用による展示会や販売会での販路拡大、SNSや動画、デジタルブック等の時代に合わせた情報発信など、手厚い販路開拓支援を実現しています。このような全国的に類を見ない支援スキームは福島県だけでなく、各地方でも効果が期待出来るのではないかと考え、令和元年には東北経済産業局補助事業を活用し、ふくいろキラリプロジェクトの水平展開による広域連携型知的財産支援力強化事業を実施。京都府、宮崎県において、ふくいろキラリプロジェクトの支援スキームを展開しました。平成29年には内閣府の第15回産学官連携功労者表彰において、科学技術政策担当大臣賞<地方創生賞>を受賞し、地方創生活動のベストプラクティスとして評価されました。これまでに訪問企業数242社、訪問回数462 件、技術相談対応数559 件、新製品開発及び事業化数は95件(令和7 年1月末現在)となり、ひとつひとつ成功を積み重ねてきたこの実現力は、他に類を見ない唯一無二のプロジェクトとなっています。
令和6年度成果
①事業の実績
令和6 年度ふくいろキラリプロジェクトでは、35 社の企業訪問を実施し、66 件の技術相談に対応しました。さらにその中から新製品開発の提案を行い、11 件の新製品開発(事業化)を達成することが出来ました。特に11 件という新製品件数は、昨年同様、非常に多い結果となりました。これは、アフターコロナを見据え、コロナ禍でも研究・開発の手を休めなかった企業の取組みが実り始め、成果として実現出来たことの表れとなっています。
②企業の意識転換
今年度制作した企業の成果動画にもあるように、ふくいろキラリプロジェクトでの訪問後、様々な変化が企業に表れています。トップダウンだった組織がボトムアップ型の社風に変わり、会社全体のモチベーションアップにつながったという事例があったように、B to B 取引メインの企業がB to C 商品を作り、初めて市場の反応を得た、成功事例を体験することが出来た場合、それは企業成長につながると考えます。これは自社製品を持つことによる開発型・提案型への意識転換が進み、「充実感」「達成感」「満足感」が連動することで、「正のスパイラル」を生み出すためです。開発意欲が湧くことで、作業効率の改善、新事業への取組み、魅力ある雇用の創出など、現代の働き方改革の実現へ繋がっていきます。
③「原点回帰」変わらない支援活動
我々の活動は、スタート時と考え方が変わっていません。「小さな成功事例で良い、それらを多数生み出し、育てていく」。そのひとつひとつは大きなものではないかもしれません。しかし、一企業の明るい成果の積み重ねが、地域に広がり、今では福島県の地方創生に寄与しています。福島県は令和3年度から「ひとつ、ひとつ実現するふくしま」をスローガンに掲げています。ふくいろキラリプロジェクトでは、平成25 年度より「製品開発型企業への転換促進による飛躍的な復興と地方創生の実現」をテーマとして掲げています。共通項目は「実現」です。一社員が、一企業が、世の中が、必要とする物事を生み出すことが“成果の実現”であると考えています。
④中小企業連携推進
本文で取り上げた県南ものづくり女子会の活躍に表れているように、各企業それぞれの得意技術を掛け算することで、一社だけでは不可能だった開発が実現できるようになります。ひとつの製品を開発するためには、様々な技術が必要になる場合があり、それらを自社だけで解決しようとすることは、開発スピードの低下やモチベーションが下がるきっかけとなり、製品開発の大きなハードルです。このプロジェクトではこれまで242 企業に訪問し、550 件超の技術相談に対応しています。つまり、訪問企業数が年々増えていくことは、訪問チームから「紹介できる技術・企業」が増えるということになります。中小企業間の「連携推進」は、 2ndステージへ進んだふくいろキラリプロジェクトの新たな支援の形であり、それを実現出来ていることは「継続の力」であると考えています。
⑤SDGS先進県
世界では、SDGSという17 個の目標を掲げ、未来へ持続可能な社会・環境を繋ぐ取組みに力を入れています。福島県では、独自に取り組む18 番目の目標として「福島復興」を掲げ、未来の世代にかけがえのないふるさと福島を引き継いでいこうとしています。そして、このふくいろキラリプロジェクトは、その18 番目の目標に直結する活動だと考えます。福島県の「地方創生」を促進し、地域産業を押し上げていく活動です。小さな成功事例をひとつひとつ実現していくふくいろキラリプロジェクトは、福島復興を牽引するものづくり産業の持続的成長支援の一環として実施しています。
ふくいろキラリプロジェクトのこれから
ふくいろキラリプロジェクトはただ製品を開発すれば良い、ということではありません。それらをどのように販売していくのか、どのように守っていくのか、どのようにPRしていくのか、など支援先企業にとって「プラス」になる、地域にとって「発展」につながる、地方創生を実行することが出来るプロジェクトです。この活動はひとつひとつ企業の前向きな取組がベースとなっています。令和4年度では、開発製品及び事業化の数が65件まで増え、さらに、技術相談対応件数は400件を超えました。前向きに取組む企業の出現は地域全体へ良い刺激となり、地域企業のモチベーション向上、さらには地域産業の活性化へとつながると考えています。これからも地方創生のベストプラクティスとして全国へ、SDGs先進県としてのメッセージを世界へ、強く発信していきます。これからも、ふくいろキラリプロジェクトに是非ご期待ください。